お菓子作りや料理にもつかわれる身近なふくらし粉といえば重曹とベーキングパウダー。
お菓子のレシピ本でもこの2つを目にする機会があると思いますが、そもそも違いって何なのでしょうか?
このページでは重曹とベーキングパウダーの性質や仕上がりの違い、重曹とベーキングパウダーを代用したい時の量など知っておきたい基礎知識をご紹介します。
重曹とベーキングパウダーの違いは?
焼き菓子のレシピ本を見ていると「ふくらます」目的で重曹やベーキングパウダーが使われていますよね。
見た目も似ているこの2つ。
そもそも違いって一体何なのでしょうか?
実は重曹とベーキングパウダーはもともと同じもの。
ベーキングパウダーは重曹に酒石酸やクエン酸などを加えて作られたものなのです。
「膨らむ」という意味ではどちらを使ってもいいのですが、重曹を使うと苦みが出たり色が黄色っぽくなったりするんですね。
その重曹のデメリットを改良するために、重曹+その他の成分を加えて使いやすくしたのがベーキングパウダーってわけ。
重曹とベーキングパウダーは見た目はとても良く似ていますがその膨らむ過程や使い勝手も全然違います。
曹は加熱によって反応しますので、水分が加わるだけでは膨らみません。
なので、生地を作ってしばらく置いておくって時は重曹を使って生地作りをするのがいいのです。
それに対しベーキングパウダーは水分を加えただけで反応が始まりますので生地作りが完了したらなるべく早く焼いたほうがきれいに出来上がります。
お菓子をどんなふうに仕上げたいか?によって、重曹かベーキングパウダーどちらを使うかで味も風味も違う物になります。
お菓子作りでどちらが最適なのかと迷った時には、和菓子系(どら焼きやまんじゅうなど)には重曹を、洋菓子系(パウンドやクッキーなど)にはベーキングパウダーを使うと覚えておくといいかもしれません。
重曹とベーキングパウダー 仕上がりの違いは?
重曹とベーキングパウダーどちらを使うかでその仕上がりも違ってきます。
重曹を使ってお菓子を焼く時、加熱されて膨らむ方向は横。
どら焼きやおまんじゅうを作った時に出来上がったものは、ひと回り大きくなったような感じがしますよね?
仕上がったものには黄色っぽい色が付き、重曹独特の風味を生かした懐かしい味わいのお菓子に仕上がります。
それに対しベーキングパウダーを使って焼いたお菓子が加熱されたときに膨らむ方向は縦。
パウンドケーキやクッキーなどはふんわりサクッとした食感になります。
重曹のように黄色く色がついたりもしません。
洋菓子の場合はバターや牛乳の風味を生かすためにも、ベーキングパウダーを使ったほうが味を邪魔せずおいしく仕上がります。
重曹とベーキングパウダー 代用するときの量は?
お菓子を作ろうとした時にうっかり重曹を切らしてしまった!とかベーキングパウダーが売ってない!というときは、代用して使わないと・・って事が結構あります。
代用するときの量はどれくらいなんでしょうか?
例えば重曹小さじ1となっている時。
ベーキングパウダーで代用するなら小さじ2使いましょう。
「重曹はベーキングパウダーの2倍の力がある」と覚えておけば代用量が多すぎた!って失敗もなくなると思います。
代用はできますが、出来上がるお菓子は全く違うものになるというのは忘れないでくださいね。
たかがふくらし粉ですが、その力は味や食感に大きく影響します。
理想的なお菓子作りのためには最適なものを使うのが一番ですが、どうしても・・・というときだけ代用するようにしましょう♪
編集後記
ウチでは重曹もベーキングパウダーも使っていますが、お菓子を作るときはベーキングパウダーがメイン。
どうも重曹は臭いが気になってしまい、あまり美味しく感じないんですよね。
でも重曹は掃除に使ったり麺を茹でるときにちょっと入れて中華風にするなど色々な使い方ができるので、お菓子作り以外でよく使っています。
最近は重曹掃除がおもしろくて、風呂場やキッチンなど色々な場所を掃除しまくっています。
年季の入ったこびりつき汚れになるとちょっとムリかもですが、普通の汚れならかなりきれいに落ちてくれます。
重曹は1回お菓子に使ったあとはずーっと残ったまま・・・なんてご家庭もあると思いますので、ぜひ残りはお掃除に使ってみてくださいね。