おせちに入れる昆布巻きやにしん蕎麦などに使われる身欠きにしん。
下準備もいりますから最近はめんどくさいからと、正月でもわざわざ身欠きにしんを使うことも少なくなっているかもしれませんね。
でもたまには本格的なおせちやお正月料理を作ろう!という時はぜひ身欠きにしんを使ってみましょう!
このページでは本干し身欠きにしんの下準備である戻し方や美味しい食べ方をご紹介します。
身欠きにしんの戻し方は?
身欠きにしんは買ってきてそのまま使ったのでは美味しく食べることができないので下ごしらえが必要です。
ここでは米のとぎ汁を使った戻し方と、さらにしっかりと臭みを取りたいという方のためにととぎ汁+番茶のダブルの下ごしらえについてもご紹介します。
■米のとぎ汁で戻す方法
米のとぎ汁を捨てずにとっておき身欠きにしんを入れて一晩置きます。
ソフトにしんなら半分くらいの時間で済みますので時間のない時は便利です。
身欠きにしんの状態や人によっては2~3日浸けるということもあるようですが、あまり長く浸けてもニシンの美味しさが流れてしまうので個人的には一晩おけば十分のような気がします。
もしも数日つけておきたいということでしたら、1日1回はとぎ汁を新しいものに交換してくださいね。
また、うっかりとぎ汁を捨ててしまった!という時は水に米ぬかを入れて代用しましょう。
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なぜ米のとぎ汁に浸けるのか?ちょっと不思議ですよね。
煮魚にして食べてみるとわかると思いますがにしんはすごく脂が多い魚です。
ニシンを乾燥させたのが身欠きにしんですが、乾燥させる時に脂が多いためにどんどん酸化が進んでしまい独特の脂っぽいニオイや渋みなどが出てきます。
ここで活躍するのが米のとぎ汁。
浸けこむことでニシンの酸化したくさみが取れるのですね。
米ぬかやとぎ汁はあく抜きにも使われるように、酸化した脂をくっつけ取り除いてくれる働きがあります。
・・・というわけで米のとぎ汁を使った戻し方のご紹介でした。
これで料理に使える状態ではあるのですが、もっとしっかりくさみをとりたいという時は米のとぎ汁+番茶で下ごしらえをすることもできます。
次の項目でご紹介しますね。
■米のとぎ汁+番茶で煮る方法は?
先ほどご紹介した米のとぎ汁を使った戻し方の後に番茶を使って柔らかくする方法です。
まずは番茶を作りましょう。
水1リットルに対し番茶の茶葉を大さじ2~3入れて弱火で10分煮出します。
お茶が冷めるまでそのままにしその後茶こしで茶葉をこします。
その間にニシンの準備をしましょう。
米のとぎ汁で臭みをとった身欠きにしんはうろこが付いていることが多いので、包丁でこそげとったりお腹の内側に汚れがついていたりしますのでとぎ汁の中でよく洗っておきます。
キレイになったら水でさっと洗っておきましょう。
先ほど煮出したお茶とににしんを鍋に入れて火にかけ弱火で1時間煮ます。
途中あくが出たらすくい取りましょう。
火を止めてそのまま放置し一晩置いておきます。
こうやって2段階の手間暇かけて下ごしらえをすると独特の臭みが抜け番茶の香ばしさでニシンがよりおいしくなります。
時間のある時にやってみてもいいですし、ちょっと酸化しすぎかも・・・というちょっと状態のよくないニシンなら米のとぎ汁+番茶で下ごしらえをするとよいと思います。
基本的には米のとぎ汁だけで良いと思いますので、その時に応じてやってみてくださいね。
身欠きにしんの美味しい食べ方は?
身欠きにしんの美味しい食べ方にはどんなものがあるのでしょうか?
身欠きにしんそのものを味わいたいなら甘露煮がおすすめです。
ご飯とも合いますしにしん蕎麦としてもおいしいです。
お蕎麦屋さんで上に乗ったニシンだけ食べたいなあ~という願望も自分で作れば食べ放題です(^v^)
ウチでは混ぜご飯にしたり、手巻きすしの時のはしやすめ?のような感じで甘露煮を巻いて食べることもあります。
後は定番ですが昆布巻きや大根と一緒に煮たりするのもいいですよね。
色々試して新しい食べ方を探してみてくださいね。
編集後記
身欠きにしんってちょっとクセのある味わいですが食べ慣れるとこれこそ大人の味って感じです!
ウチは両親が身欠きにしんが好きだったようで、子供のころから昆布巻きやら煮物に身欠きにしんがフツーに入っていたのですが、そのおいしさがイマイチ分かりませんでした。
昆布巻きなんてニシンじゃなくてソーセージを巻いてくれ!って思ってたくらいですから・・・!
でもだんだんオトナになるにつれて身欠きにしんの何とも言えないひなびた味がおいしいなあ~って感じるようになったんです。
見た目もめちゃくちゃ地味なやつですがそのおいしさにはまるとついつい手が伸びてしまいます。
身欠きにしんは普段遣いの食材ではないのでお正月くらいは手間がかかるちょっと変わった食材を料理するのも楽しいかもしれませんね♪